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人の記憶に残るサインデザイン

私達がサインデザインで表現したいことは、
クライアントの頭の中にある” こんなイメージ” というものを具現化することです。
サインデザイン TOPサインデザインと完成写真業種別サインデザインロゴマークデザイン

売れる見せ方の法則とは?

『サンリオの奇跡- 夢を追う男たち』(上前淳一郎) という本をご存知ですか?
この本に、興味深い事実が書いてあります。
「バラの花は、花束でデザインするより 一輪のバラが売れる傾向にある」
なぜなんだろうか?
この言葉に触れてからデザインを科学的に解明してみたいと考えるようになりました。
そこで、デザインについて高度な調査を得意とする大学の先生との共同研究を始めました。

主な研究内容

・横浜国立大学工学部 生産工学科 岡嶋研究室(視覚認知機構・色彩情報処理)

「理容店の外観等に関する 女子大生の印象評価」 理容店ファサードの外観が、利用者(現在は理容店を利用していない客層)に対する誘因生を与える影響要因を探る

資料をダウンロード: PDF形式

・千葉工業大学工学部デザイン科学科 感性デザイン研究室(佐藤弘喜)

「理髪店の外観イメージと 店舗の構成要素 に関する研究」 理髪店の外観イメージが、店舗の構成要素の違いによって どのように異なるかを印象評価実験によって調査し、 理髪店に対する評価構造を明らかにする

資料をダウンロード: PDF形式

「屋外広告のデザインと再生記憶の関係」

資料をダウンロード:PDF形式

以下に研究の大まかな内容を記述します。

「屋外広告のデザインと再生記憶の関係」

以下に研究の大まかな内容を記述します。

この研究では、屋外広告のデザインと再生記憶の関係について調べました。 具体的には、 看板の印象が時間の経過とともにどのように変化するのかを、

・ 印象評価

・ 記憶の再生実験

によってあきらかにする、というものです。

対象サンプル

矩形(平面的)サンプル

矩形(平面的)サンプル

まずはイメージ評価
まずはそれぞれのサンプルの第一印象について、 被験者は「個性的」「大胆」「落ち着いた」「固い」「美しい」などのキーワードで評価します。

イメージ評価の風景

 

イメージ評価の風景

変形(立体的)サンプル

変形(立体的)サンプル

 

記憶の再生実験(1回目)
つづいて、イメージ評価の直後に、それぞれの造形物についてどのぐらい覚えているか、 被験者に実際に書き起こしてもらいます。 これにより、覚えられやすい造形とそうでない造形が明らかになります。

記憶の再生実験
記憶の再生実験、見たものを思い出しながら書き起こす

記憶の再生実験(2回目)
10日後に、また同じようにそれぞれのサンプルを書き起こしていきます。

記憶の再生実験

 

2回目の記憶の再生実験の様子

これをもとに、今回は次のような実験結果が得られました。

この実験から、

・ 再生率(記憶している、思い出せるもの) ・ 印象度

が上位のサンプルが明らかになりました。次のようなものです。

再生率・印象度

で、何がわかるかというと・・・。

まず、記憶の再生実験の1回目を見てみると、上位3位にきているのは、

すべて変形(立体的)サンプルです。

このことから、短期記憶では立体的なものが記憶に残りやすいと結論づけられます。

つ づいて、10日後に行った2回目の記憶の再生実験を見てみると、1回目と変わった点は、 ・ 1回目の実験で1位だったサボテンのようなサンプルは2位になり、1回目で3位だったメガネのサンプルが1位になった。 ・ 平面サンプルで「うどん」という文字が入ったものが3位に浮上した。

このことから、

・ 長期記憶でも立体的なものの方が記憶に残りやすい。 ・ 立体的なものの中でも、抽象的なもの(サボテンらしきもの)より具象的なもの(メガネ)の方が記憶に残りやすい。 ・ わかりやすい言語が入ったものは、長期記憶の残りやすい

ということがわかりました。

ここで、次の図をご覧ください。

対象物の認知

人がものを記憶する際には、

・ 言葉に反応して記憶するシステム ・ 形や色に反応して記憶するシステム

という2つのシステムが折り重なって記憶します。 この2つのシステムと実験結果から、

・ 造形に特徴がある、特に平面ではなく立体的にすると良い ・ 造形物は、抽象的なものよりも、なるべく具象的(具体的)なものの方が好ましい ・ わかりやすい言葉をあわせて使う

これが、「記憶に残るサインデザイン」の必要条件になります。

  • 大学への委託研究

    千葉工業大学
    デザイン科学科 感性デザイン研究室

    佐藤 弘喜 教授

    佐藤 弘喜 教授
    デザインを見る行為には、対象をどのように見るかという基本的な問題が存在しています。
    それは、単に対象のどの部分を見ているかという問題にとどまらず、人間の認知的な構造や、印象にまで関わる問題といえます。
    本研究室では、デザインに対する人間の視覚認知的性質を研究しています。
  • 技術アドバイザー

    横浜国立大学大学院環境情報研究院社会環境と情報部門 (情報メディア環境学専攻)
    岡嶋 克典 准教授

    岡嶋 克典 准教授
    「見るということは極めて主観的な行為ですが、見ているのは各自の脳という実体です。その脳の見る仕組みが分かれば、サインの見やすさはもちろん、美しさや好き
    嫌いといった、個人の主観的感性までも定量的に理解・予測することが可能になります。サインの科学は、これからのサインの世界を大きく変えていくでしょう。
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